新年が始まり、仕事を再開する際に、「仕事始め」と「仕事初め」のどちらの表記が正しいのか迷うことがありますね。この二つの言葉が混同されがちな理由について、詳しく見ていきましょう。また、「御用始め」という表現がどう異なるのかもご紹介します。
どのような状況で「仕事始め」を使い、「仕事初め」が一般的に誤用されるのか、その使い分けについてわかりやすく説明していきます。さらに、「御用納め」がどのような文章で使われるのかも合わせて解説します。
新年の仕事再開、どちらの漢字が適切？「始め」か「初め」か
新年が来て、長い休みの後に職場へ戻る日や、年初に初めて手がける仕事のことを一般的に「仕事始め」と呼びます。でも、「仕事始め」と「仕事初め」、どちらの表記を使うべきか悩むこともあるでしょう。ここで正解を言うと、「仕事始め」が適切な表記です。
「始め」は何かを開始する際や新たな活動を始める点を意味し、「初め」は何かが最初に起こる時や期間の最初を指します。
つまり、「仕事始め」での「始め」は英語の「start」に当たり、新年に仕事を再開するのにぴったりな言葉です。「初め」は英語でいう「first」に相当し、序列での最初や時間的な始まりを示します
。だから、「初め」は最初やスタート地点を示唆しますが、「仕事始め」は仕事を再び始める具体的な日を指し、最初に仕事をする日ではありません。このように、「仕事始め」は新年最初の業務日に最適な表現と言えます。ビジネスの場では、これらの微妙な言葉の違いが大きな意味を持つことがあり、正しい選択が重要です。
なぜ「仕事初め」と書かれることがあるのか？
年末に受け取るビジネスメールで、「新年は1月4日からの仕事初めです」という表現を見かけることがよくあります。調査によると、約40%の人が「仕事初め」という言葉を使っていることがわかりました。
「仕事初め」という表記が用いられる背景
「仕事初め」と間違えて使われる一因に、スマートフォンやパソコンの文字変換機能が関係しているかもしれません。
「しごとはじめ」と入力すると「仕事始め」が推測されますが、職場などの共用のデバイスを使用すると、「仕事始め」と「仕事初め」が両方とも変換候補に出てきます。これにより、どちらが適切なのか混乱しやすくなります。
さらに、新年には「初日の出」や「初夢」のように「初」という字が使われることが多いため、その影響で無意識のうちに「仕事初め」と書いてしまう人もいるかもしれません。しかし、正しくは「仕事始め」が新たな年の業務再開日を指す正しい表現です。
このような細かい違いに注意して、正しい用語を使うよう心掛けましょう。
「御用始め」と「仕事始め」の違いとは
「御用始め」という言葉は、「仕事始め」とよく混同されることがあります。年末年始のニュースでは「御用納め」と「御用始め」に関する話題を耳にする機会も多いと思います。一部の人は「仕事納め」と「仕事始め」の代わりにこの言葉を使いますが、基本的には似たような意味を持ちます。
「仕事納め」と「御用納め」は年末の業務の最後の日を、「仕事始め」と「御用始め」は新年の業務が始まる日を指します。ただし、「御用納め」と「御用始め」は古めかしい響きがあり、公務や官公庁の仕事を想起させる表現です。
これらの言葉はもともと宮廷や将軍の業務で使われていましたが、今では公的な場で使用されることもあります。民間では「仕事納め」がよく使われ、公務員は「御用納め」を使用することが一般的です。
「御用始め」はある法令によって定められて以降に使われ始めた言葉ですが、20世紀の中頃からは民間企業でも「仕事納め」と「仕事始め」が広まりました。この変化は、言葉が古く感じられたり、「お上」との関係を連想させたりするためとされています。
現在でも、公務員の中には「御用納め」と「御用始め」を用いる人がいますが、特に年配の人々に好まれる傾向があります。彼らはまるで宮仕えのような誇りを感じているのかもしれません。
証券市場では、「大納会」と「大発会」という似たようなイベントがありますが、かつてはその風景がニュースでよく特集されていました。しかし、現在ではそのような光景を目にすることは少なくなりました。
新年の仕事開始は「仕事始め」で決まり
新年が始まり、仕事を再びスタートさせる時のことを「仕事始め」と表現するのが一番ふさわしいです。「始め」という言葉は、何かをスタートすることを意味していますから、新しい年の最初の業務日を指す時にこの表現を使うのが自然です。
「御用始め」というような言葉もありますが、結局のところ「仕事納め・仕事始め」や「御用納め・御用始め」は同じような状況を指す言葉です。ただし、「仕事始め」を間違って「仕事初め」と書いてしまうことがあるものの、これは厳密には適切ではありません。
言葉の使い方は時代とともに変わる可能性があるので、将来的に「仕事初め」が正しいとされる日が来るかもしれませんが、現時点では「仕事始め」が正しい表現とされています。特にビジネス文書や公式の場では、このような細かな違いに注意して、正確な表現を心がけることが大切です。
