日本で親しまれているトンボですが、自宅で成虫を飼育しようと考える人は多いかもしれません。ただ、どのように飼育すれば良いのか、具体的な方法はあまり知られていないようです。
成虫トンボに与える食餌や、飼育に必要な用品について、「何を食べさせればいいの?」「どのように準備すればいいの?」と疑問に思う方もいるでしょう。
この記事では、成虫トンボを飼育する際に適した食餌と必要な用品について詳しく解説し、役立つ情報を提供します。ぜひ飼育の際の参考にしてください。
成虫トンボに与える理想的な食事
野生の成虫トンボが何を食べているかご存じですか?
実はトンボは肉食で、生きている他の昆虫を捕食しています。蚊やハエのような小さな昆虫から、チョウやハチのような大きな昆虫まで、さまざまな種類を食べます。
しかし、自宅でトンボを飼育する際に生の昆虫を食餌として提供するのは難しい場合があります。生きた昆虫をどのようにして手に入れれば良いのか、悩む方もいるでしょう。
そこで、自宅飼育に適した、手に入りやすい食餌について紹介します。
成虫トンボの食餌選択:ハエ
ハエは多くの人にとって好ましくないかもしれませんが、成虫トンボにとっては最適な食べ物になります。外でハエを捕獲することも可能ですが、難しい場合があります。そんな時はハエの幼虫、「サバ虫」を用意することをお勧めします
。釣具店で手に入り、常温で5日ほど放置するとサナギになり、成虫トンボの食事として適しています。約20日で成虫のハエになりますが、サナギの段階でも食餌として提供可能です。ピンセットを使ってトンボの口元に近づけてあげましょう。
成虫トンボへの飛ぶ昆虫の提供
成虫トンボに与える別の食事は、蚊を含む飛ぶ昆虫です。これらは成虫トンボにとって理想的な食餌となります。夜間に灯り周辺に集まるこれらの昆虫を捕獲して提供する方法が効果的です。食事を与える際は、ピンセットを使用して慎重にトンボの口元に運んでください。
また、これらの昆虫を室内に持ち込む時は、逃がさないよう注意が必要です。
成虫トンボにミミズを食餌として提供する方法
成虫トンボに与えるもう一つの食事として、ミミズがあります。釣りの餌としても使用されるミミズは、生きている獲物を好むトンボにとって理想的な食事です。ミミズを提供する際は、生きたものを選び、冷蔵保存することで休眠状態に保てます。
ただし、ミミズは脱走の可能性が高いため、容器を開けた後は隙間なくしっかりと封をすることが重要です。
成虫トンボへのミールワーム提供方法
もう一つの成虫トンボに適した食餌はミールワームです。この餌はチャイロコメノゴミムシダマシの幼虫で、釣り餌としても人気があります。釣具店やオンラインで簡単に手に入るため、成虫トンボの飼育にはぴったりのアイテムです。
ミールワームを提供する際は、小さく切ってピンセットでトンボの口元に運ぶと良いでしょう。ミールワームも高温には弱いため、ミミズと同様に冷蔵での保管をお勧めします。
成虫トンボに与えるひき肉
成虫トンボの食事として最後に取り上げるのは「ひき肉」です。生きた昆虫の提供が難しい場合、ひき肉は適切な代替食になります。成虫トンボは柔らかい食事も受け入れますが、飛ぶ昆虫に比べるとひき肉への反応はやや控えめかもしれません。
できるだけ生きた昆虫を提供し、それが不可能な場合のみひき肉を選択するのが良いでしょう。
成虫トンボ飼育のための基本アイテム
成虫トンボを自宅で飼育する際には、いくつかの基本的なアイテムが必要です。これには、トンボが過ごすための適切なサイズの容器、水分を提供するためのスプレーボトル、そしてトンボが休息するための枝などがあります。
これらのアイテムに関して、以下でさらに詳細を解説します。
成虫トンボのための適切な居住空間
成虫トンボを飼育する際には、彼らが自由に飛び回ることができるよう、適切な大きさの容器を準備することが必要です。狭すぎるとトンボが壁にぶつかり傷を負う可能性があるため、広いスペースの容器が望ましいです。
もし十分なスペースがあれば、部屋の一部を網で区切ってトンボが広範囲に飛べるようにすると良いでしょう。
トンボへの水分補給方法
トンボは水辺の生物であるため、飼育する上で水分補給は欠かせません。トレイに水を入れて設置する方法もありますが、トンボに直接水を与える場合はスプレーボトルを使うことが推奨されます。定期的にスプレーボトルで水分を与え、少なくとも1日に1回は水分を補給してください。
容器内に水を置く場合は、暑い日は水が腐りやすいので、定期的に交換することが大切です。
成虫トンボの休息場所としての枝
自然環境でよく見かけるトンボが枝や葉に留まっている姿を、飼育環境でも再現することは、トンボにとって快適な環境を提供する上で重要です。「枝」を容器の中に設置することで、トンボが休息する場所を作ることができます。
これにより、食事時にもトンボが枝に留まっている状態で簡単に餌を与えられます。
成虫トンボの飼育方法完全ガイド
成虫トンボを健康に保つためには、バランスの良い食事と十分な水分が欠かせません。
外見からは想像もつかないほど、トンボは食欲が強く、体重の約10%にも匹敵する食事を摂ることがあります。例えば、サバ虫の蛹を餌にする場合、一日に3~5個が適切な量です。
トンボ同士で争いが起こらないように、複数飼育する際はそれぞれを別の容器で管理することが重要です。
成虫トンボの寿命について
成虫になったトンボは、通常、数ヶ月の間しか生きられません。多くのトンボは秋が来ると生涯を閉じますが、中には例外もおり、より長く生きる種も存在します。ただし、一般的には成虫トンボの寿命は1~2ヶ月程度と短いです。
成虫トンボを飼う際は、これらの短い寿命を頭に入れ、愛情を込めて世話をすることが大事です。
この記事を通して、成虫トンボの飼育に必要な食餌や方法についてご紹介しましたが、役立つ情報は得られましたか?
生きた昆虫を主食とする成虫トンボの飼育は、餌の準備が大変かもしれませんが、適切な飼育知識を身につけ、丁寧にケアを心がけることが大切です。
「成虫トンボの飼育における推奨される食餌と管理方法」をご紹介しました。