じゃがいもの芽が長く伸びてしまうことに頭を悩ませた経験は、多くの人が持っているかもしれません。じゃがいもの芽をしっかりと取り除くことができれば、5ミリから1センチほどの深さで掘り取るだけで、安心して食べることが出来ます。
芽をきちんと取り除けば、健康に害はないので心配無用です。この記事では、過剰に伸びたじゃがいもの芽の扱い方や、芽に含まれる毒素、じゃがいもが緑色に変わる原因、カビへの対策など、有益な情報を紹介しています。
伸びすぎたじゃがいもの芽、どう処理する?廃棄が良いのか?
じゃがいもを放置しておくと、予想以上に芽が伸びてしまうことがあります。芽が数ミリから5センチに伸びたとしても、その芽を取り除けばじゃがいもは食べられます。ただし、芽には有害な成分が含まれているので、取り除くことが必須です。
しかし、芽が極端に伸びてしまった場合、じゃがいもの栄養が芽に吸い取られてしまい、じゃがいも自体の品質が落ち、味も劣化します。そのため、じゃがいもの品質が顕著に低下している場合は、残念ながら廃棄した方が良いでしょう。
じゃがいもの芽の取り除き方:完全除去のコツ
じゃがいもの芽の取り除き方を詳しく解説します。まず、伸び過ぎた芽は全て除去することから始めます。小さい芽に関しては、5ミリメートル程度の深さで取り除くのが適しています。もし芽が非常に長く伸びていたら、約1センチメートル程度深く取り除くことを推奨します。
しかし、実際にその深さを毎回測るのは現実的ではありません。大切なのは、じゃがいもから芽の痕跡が残らないようにすることです。芽を取り除く際は、包丁を芽の近くに置いて、円を描くようにして切り取ります。ピーラーを使う方法もあり、その先端を使って芽を効率よく取り除けます。
じゃがいもが芽でほぼ覆われてしまっている場合は、芽と一緒に皮を厚く剥くのがベストです。
じゃがいもの芽と皮に潜む毒素とその影響
じゃがいもに含まれる天然の毒素、ソラニンとチャコニンについては、特に芽に多量に含まれること、そして皮にも少なからず含まれることが知られています。農林水産省による研究でも、これらの毒素がじゃがいもの調理過程における影響を受けることが明らかにされています。
このため、安全性を高めるためには、じゃがいもの芽をしっかりと取り除き、皮を厚めに剥くことが推奨されます。これらの毒素を過剰に体内に摂取することで、吐き気や下痢、頭痛、腹痛などの健康問題が発生するリスクがあります。
市販されているじゃがいもで芽がないものは、皮ごと食べても一般的には安全です。じゃがいもの皮には栄養が豊富に含まれているため、魅力的ですが、微量の毒素が含まれている可能性があるため、注意が必要です。適量ならば健康に影響はありませんが、過剰摂取は避けるべきです。
さらに、じゃがいもの毒素は加熱しても分解されにくいため、加熱調理だけで安全になるわけではありません。芽はもちろんのこと、皮に対しても注意を払い、食中毒を予防するために適切な処理を心がけましょう。
緑色に変わったじゃがいもの対処法
緑色に変わったじゃがいもには注意が必要です。光に長時間さらされたじゃがいもは皮が緑色に変わりがちで、この変色は毒素が含まれていることを示しています。そのため、芽を取り除くときと同様に、緑色に変わった皮もしっかりと厚めに剥き取ることが大切です。
緑色の部分をしっかり取り除けば、その後は安心して食べることができます。じゃがいもを保存する際は、光が直接当たらないようにすることが重要です。
カビがついたじゃがいもへの対処法
長期間じゃがいもを保管していると、場合によってはカビが生じることがあります。カビが発生した場合、最初にじゃがいもの表面を丹念に洗い、カビを取り除くことが大切です。その後、皮をしっかりと剥き、中の部分が健康であれば引き続き使用できます。
しかし、柔らかすぎる、嫌なにおいがする、または色が普通ではないようなじゃがいもは食べるべきではありません。これらの兆候が見られる場合は、安全を考慮して廃棄することが推奨されます。
じゃがいもの正しい保存方法
じゃがいもを保存する際は、涼しくて暗い場所が最も適しています。高温や密閉された環境ではカビが生じやすくなります。また、じゃがいもを長時間光にさらすと緑色に変色し、有害な成分が生成される可能性があるため、直射日光は避けるべきです。
風通しが良く、日光の当たらない場所での保存が理想的です。新聞紙やキッチンペーパーで個別に包むことにより、保存期間をさらに延ばすことができます。この方法なら、2〜3ヶ月は持つことが期待できます。
冷蔵庫での保存は野菜室が適していますが、野菜室以外での保管は低温障害を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
長く伸びたじゃがいもの芽、再利用して栽培しよう!
じゃがいもの芽が思いの外長く伸びてしまった時、それを食べる代わりに植えてみるというのは一つの良い方法です。庭がある家庭では理想的ですが、スペースに限りがある場合でも、深めのプランターを使えば栽培することが出来ます。
じゃがいもの芽の植え方と育て方のコツ
長くなったじゃがいもの芽を持つ場合、最初にじゃがいもを横に半分に切ります。大きなじゃがいもは4分の1にしても大丈夫です。切った後は、じゃがいもを日光に当ててよく乾燥させてください。植える時には、約5センチメートル深さの穴を掘り、切り口が下を向くようにして土をかぶせます。
芽が出るまでには2〜3週間ほどかかるので、辛抱強く待ちましょう。土からしっかりと芽が伸び、10センチメートルほどの高さになったら、元気な芽を1〜2本残して間引き、この時に肥料を追加すると良いでしょう。花が咲き始めたら、もう一度追肥をします。
じゃがいもは地中で育ちますが、地表に顔を出すことがあるので、直射日光が当たらないように土を足して覆いましょう。直射日光が当たると、じゃがいもが緑色になり、有害物質を生成する可能性があります。
栽培時の留意点
自宅でじゃがいもを育てると、小ぶりなじゃがいもができることがあります。こうした小さなじゃがいもには、場合によっては毒素が多く含まれている可能性があります。
そのため、自家製の小さいじゃがいもを食べる際には、食べないようにするか、もしくは安全を考慮して皮を厚めに剥いた方が良いでしょう。
市販されているじゃがいもについては、このような心配は基本的には不要ですが、皮には少なからず毒素が含まれていることがあるため、食べる前には皮を剥くことを推奨します。
また、市販のじゃがいもを種として利用する場合には、失敗するリスクがあることを覚悟しておく必要があります。これは、市販のじゃがいもがウイルス病に感染している可能性があるためです。人間に害はありませんが、栽培する際には問題が生じることがあります。
「確実に収穫したい」という場合は、種芋として販売されているものを使うことをお勧めします。種芋はウイルス病の心配がなく、安全に栽培することが出来ます。
まとめ
じゃがいもの芽が伸びてしまっても、芽と根元をしっかりと取り除けば、安全に食べることが出来ます。芽の跡が残らないようにすることが大切です。緑色に変わった皮は、毒素を含むことが多いので、食べる際は皮を厚めに剥いてください。
じゃがいもが柔らか過ぎたり、変な臭いがしたり、色が変わっていたりする場合は、食べるのを避けましょう。